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【読書メモ】貯金兄弟

 

貯金兄弟 (PHP文庫)

貯金兄弟 (PHP文庫)

 
  •  大学に進学して大企業に就職か、高卒で公務員か
  • たくさん稼いで消費して人生を楽しむか、節約して質素な生活で貯金するか
  • 生命保険はどんな種類のものを選ぶべきか
  • 持ち家か賃貸か
  • 老後資金はどれだけ必要か 
こうした様々なお金の問題について、「大手広告代理店に就職し、派手に浪費する兄」と「高卒で消防士になり、将来のため節約に励む弟」という対照的な兄弟のストーリーを通じて学ぶことができる。これまでお金や貯蓄のことについて考えたことのない人のとっかかりとしてはよい本。
 
(※以下ネタバレを含みます。)
ストーリーの途中までは金融リテラシーが高く、質素に生活する弟が順調な人生を歩む展開だが、ある事件をきっかけに弟の人生が大きく変わる。ラストはたくさん稼いで消費した兄は幸せで、弟は「もっと自分や子供のためにお金をつかえばよかった…」のように後悔する展開で終わる。

「兄弟の絆はお金にかえがたい」とか「お金がなくても楽しく生活することはできる」みたいな締め方がされているものの、これには違和感を感じた。この本は貯蓄や金融リテラシーの重要性を説くことがテーマのはずだ。「人間関係はお金より大事」とか「節約し過ぎるのもよくない」といったことを言いたくて、あえてこの展開にしたのかもしないが、中途半端な感じになっている。
 
ストーリーの兄のように大企業で(役員クラスまで)出世すればたくさん稼げるので、金融リテラシーを身につけず浪費しまくってもなんとかなる。これは真理かもしれないが、一般人には無理だ。金融リテラシーを身につけたいと考える普通の人をターゲットにするのであれば、もっと弟の苦労が報われる展開があってほしかった。
 

【読書メモ】ジム・クレイマーの株式投資大作戦

 

全米No.1投資指南役ジム・クレイマーの株式投資大作戦

全米No.1投資指南役ジム・クレイマーの株式投資大作戦

 

本書で繰り返し主張されるのは、「バイ・アンド・ホールド」ではなく「バイ・アンド・ホームワーク」です。

個別銘柄のオーソドックスな分析(株価収益率や期待成長率)を基本とし、セクターごとのトレンド、投機的な銘柄の調査、暴落(集中的な買いを入れるタイミング)か否かの判断…など地道な分析(ホームワーク)をしっかり行えば、インデックスを上回るパフォーマンスを実現できる、というのが本書のテーマです。

なお、ジム・クレイマーはバイ・アンド・ホールドを完全に否定しているわけではなく、老後資金であれば買い持ちでいいし、前述のホームワークをする時間のない人は、個別銘柄ではなくインデックスファンドを買ったほうがよいと言っています。


 個人的に特に参考になったポイントをまとめます。

・株式は5銘柄に分散投資。ただしホームワークは1銘柄につき1週間に1時間は必要。時間がとれるのであれば、理想は10銘柄に投資。15銘柄を超えるのであれば、投資信託を買えばよい。
 
分散投資する銘柄は、身近にありよく知っている企業(今後の業績等を高い確率で予想できること)、石油株、優良大企業の株(配当2.5%以上)、金融関連株、小型株等の投機銘柄(資金の20%まで)。
 
・セクターローテーションを見極め、割安な株を買う。例えば景気上昇時には安定成長銘柄を、景気後退時には循環型銘柄を買う。
 
・企業のファンダメンタルズは短期(12か月から18か月)では株価変動にわずかしか影響しない。マーケットでは理由なく上昇したり、下落したりすることはいくらでもある。重要なのは適切なタイミングでトレンドに乗ること。
 
・長期投資目的なら、値下がりすれば買い増す。トレーディング目的なら、あるシナリオを前提に大量に買い、その前提が起こらなければすぐに損切りする。当初の目的と異なることをやってはいけない(長期投資で買ったのにすぐに売却したり、トレーディングで買ったのに損切りが嫌で塩漬けしたりしない)。
 
・取引の手数料が下がっているため、短期売買しても問題ない。税金を気にせず、大儲けできたら利益を実現する。欲張り過ぎるとせっかくの利益が消えてしまう。
 
・大きなボトム(暴落)に備えて発動できるキャッシュを持っておく。投資にあてられる金額の最低10%、最大25%のキャッシュを準備する。


まだまだ参考になる部分はあるのですが、この辺で。本書に書いてあることをしっかり実践できれば(実践するのは相当難しいと思いますが…)、インデックスを上回ることができるでしょう。本書は全て米国株の話ですし、やや古い話題も含まれますが、株式投資をする人は必読です。

持株会に入るメリット・デメリット

上場企業に勤めている人だと、会社に持株会の制度があるという人も多いかと思う「持株会は得なのか?」「入るならいくらくらいにすればいいのか?」迷う人もいるだろう。今回は持株会に入るメリット・デメリットについてまとめる。
 

持株会のメリット

・奨励金が出るため安く株を買うことができる
・単元株数に満たない少額でも投資できる
・毎月給料からの天引きのため、長期間継続して積立できる

持株会の最大のメリットは奨励金が出ることだろう。会社によって異なるが、5%〜10%の奨励金が出る場合が多い。例えば1万円を投資することにしていると、10,500円分の自社株を購入できる。

「ノーリスクで5%以上の金額が上乗せされる」と考えると、かなり魅力的に感じる。しかし、後述のデメリットを踏まえて考える必要がある。

持株会のデメリット

・会社の業績が悪化すると、給与(ボーナス等)も資産(株価や配当)も下落する
・(自分で買う場合に比べて)自由なタイミングで売買ができない
 
自社株に投資することは、「卵を1つのカゴに盛る」ことだ。業績が急激に悪化した場合には、給与も資産(株価、配当金)も減ってしまう。逆に「業績が好調なら給与も資産も増加する」と考えることもできるが、自社株を持っていなくても給与増加の恩恵は受けられる。よほど愛社精神があるならともかく、できる限りリスクを避けることを考えたほうがよい。

また、奨励金が出るからといって例えば毎月5万円を持株会に入れたりすると、よほど高給でない限り、他の金融資産に分散投資する余力がなくなる。投資に少しでも関心のある人なら、自社株より魅力的な投資対象もたくさん知っているはずだ。
 

以上から結論としては、「持株会に入る必要はない。入る場合は少額(多くて1万円程度か)にしておく」のがよいだろう。

資産を増やすための行動ルール

私が資産を増やすために心がけている行動ルールについて書きます。自分の中にしっかりとした行動ルールがあれば、あとはそれを淡々と実行するだけです。 

1. 毎月10万円以上を投資または貯金にあてる

毎月給料が入ったその日に10万円を下ろして、ネット銀行に移してます。そのお金でETFを買う。10万円はキツい時もありますが、これだけは死守。

2. 暴落時に備えて常に投資余力を残しておく

暴落は買いのチャンスです。暴落で「どこまで落ちて行くのかわからない」という状況での投資はかなり勇気がいることですし、短期的には損失が出るかもしれません。しかし、暴落から数ヶ月もすれば「押し目買いできたのに…」と後悔することも多々あります。長期的には世界経済全体が成長していく、考えているのであれば暴落しても必ず回復するので、暴落したら買いのチャンスです。 

3. 固定費を削る

生命保険は入らない、スマホMVNOにするなど。削れるところはとにかく削ります。

4. 見栄のためにお金を使わない

住居、洋服、家電、交際費などは、見栄のためにお金を使ってしまいやすいと思います。何かを買うか迷ったときは「迷う理由が値段なら買え。買う理由が値段なら買うな。」を基準に判断。
 

5. 一瞬でも「行きたくない」と思った飲み会には行かない

サラリーマンとして行かざるを得ないやむを得ないものは除きます(笑)。それ以外のプライベート等の飲み会については、直感的に行きたくないと思うようであれば、行ってもあまりいいことはないように思います。
 

6. 健康や食事にかけるお金は過度に削らない

節約系のネタが多くなりましたが、健康や食事についてのお金は削ってもたかがしれていると思います。不健康でしょっちょう風邪をひいたりするほうが不経済。心身ともに健康でいることが最重要です。

7. 実益のない行動を控える

テレビ、SNSスマホゲームなどの多くは、楽しいですが有益ではありません。情報収集する場合、ネットでは厳選した特定のサイトだけ見ればいいし、読書のほうが効率的に知識が増える。それ以外では運動とか睡眠の時間を増やしたほうが実益があると言えるでしょう。

 

海外ETFに投資すべき5つの理由

これまで国内ETF(TOPIX連動型)と海外ETFに半々くらいで投資してきたのだが、今後は海外ETF(米国のETF)一本で投資していこうと思っている。
なぜ海外ETFがよいのか?今現在の考えをまとめておく。

1. あらゆる投資対象に分散投資が可能

バンガード・トータル・ワールドストックETF(VT)のように世界全体の株式にバランスよく投資できるものから、国、セクター、高配当など特定の分野に特化したものまで、あらゆる投資対象に分散投資できる。今は興味がないが、債券やコモディティに投資するETFもある。

私が今保有している銘柄は以下のとおりだが、もっと銘柄研究をしていきたいところ。
・バンガード トータル ワールドストックETF(VT)
・バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)
・バンガード FTSEエマージングマーケッツETF(VWO)

2. 日経やTOPIXに投資しても今後伸びないと予想

日経平均はここ数ヶ月、上がったり下がったりを繰り返しており、今後も暴落はあっても大幅な上昇の見込みは低いと感じる。一方ダウは右肩上がりで上昇しており、Brexitのような一時的な暴落があっても復活が本当に早い。どう考えても国内より海外に投資していくべきだろう。

なお、国内ETFで海外に投資するような銘柄もあるが、現状ではコスト面で海外ETFに劣る商品がほとんどだ。
 

3. 購入手数料が下がってきている 

ETFによるが、まず経費率は投資信託の信託報酬より安い。
加えて、これまで外国株のネックだった購入手数料が大幅に安くなってきている。
SBI証券の場合は、2016年8月8日から「約定代金の0.45%(最低5ドル、最大20ドル)」となっている。従来は25ドルだったため、大幅に安い。なお、NISA口座の場合は手数料無料だ。

「0.45%(最低5ドル、最大20ドル)」を具体的に計算すると以下のとおり。

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安くなったとは言え、最低5ドルのため、投資金額が100ドル程度だと確実に手数料負けする。一方で最大20ドルのため、4,500ドル以上になれば金額が上がれば上がるほど得になる。しかし、そこまでまとまった額だと頻繁に投資できない、かつ割高なタイミングで買ってしまうリスクがある。1回の投資金額が1,000ドル以上であれば、まずまずではないかと思う。
  

4. 高配当が得られる

 個人的に一番魅力を感じているのが、海外ETFは高配当の銘柄が多いことだ。多くの銘柄で3%前後の配当があるため、特定口座の場合に約30%(海外10%、国内役20%)の税金がかかるとしても、十分に魅力がある。(NISA口座の場合は海外の10%のみ。)

 インデックスファンドを保有していても基準価額が一定の範囲で上下しているだけで、キャピタルゲインインカムゲインも得られない。金を寝かせているだけのように感じてしまう。

インデックスファンドはもっと長期で考えるべきだろうし、「配当が出る分頻繁に課税されるのは損」だが、それでも配当で利益を確実に実現していく方がよいと考えている。配当はすべて再投資すればいい。

5. 為替リスクも怖くない

 ドル建てでETF保有すると、円安で為替差益が、円高で為替差損が出る。実際に私も円が120円くらいの頃に買ったETFでは損失が出ている。しかし、TOPIXに投資したとしても円高局面では株価が下落して損失が出るため、為替リスクはあまり気にしなくてもよいのでは、と考えるようになった。

 
以上、今現在の考えをまとめたが、海外ETFに関する情報は比較的少ないこともあり、海外のサイトを含めもっと情報収集をしていきたい。
 
ETF投資入門 (日経文庫)

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