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奨学金は一刻も早く返済しよう

奨学金を返済できない人が増えているというニュースをよく耳にする。

私は家庭が裕福ではなく、大学生のころ第二種奨学金(有利子)を毎月10万円受けとっていた。そのため、大学4年間で合計480万円の奨学金を受けとった。

学生のころは奨学金のことなど何も考えてなかったのだが、就職して毎月の返済が始まり、ようやく奨学金は借金と同じである」ことに気づいた。

大学卒業と同時にいきなり500万円近くの借金を背負ってしまったこと、これから20年以上もかけて返済しなければならないことに絶望した。

しかし、最終的には積極的に繰上返還をしていったことにより、約5年で全額を返済することができた。

以下に、私がどのように奨学金を繰上返還したかについて書く。奨学金を現在返済している人は参考にしていただければ幸いだ。

毎月の返済

私の場合、毎月の返済額は約22,000円だった。最初の2年くらいは毎月口座から引き落とされるままに淡々と返済を続けていた。

最初は利息分から返済していくため、22,000円の内訳は「利息が約3,000円+元金19,000円」なので、元金はなかなか減らない。返済が進めば徐々に利息分の金額が小さくなり、元金部分が減っていく。

ちなみに私の場合、利子率は約1.07%だった。年によって利率や計算の仕組みがやや異なるため、自分の奨学金の正確な利率は日本学生支援機構のHPで確認してほしい。

これは「借金」として見れば、一般のカードローンや自動車ローンなどと比べるとあり得ないくらい低い利率だ。返済期間も非常に長い。世間では様々な議論があるが、奨学金制度を批判ばかりするのはよくない。「借金」であることをしっかり理解した上で利用するのであれば悪くないと思う。

繰上返還により利息分を節約

社会人になって3年近くたったころだろうか、奨学金を繰上返還できること、そして繰上返還の場合、「毎月の利息をほぼ支払う必要がない」ことを知った。

例えば24か月分をまとめて返済すると、ざっくり計算して
約2,000円×24か月=48,000円もの金額を節約できる。

このことに気づいてからは、ボーナス等を利用し、定期的に12か月分、24か月分といった単位で積極的に繰上返還を行っていった。繰上返還することにより利息分を節約し、浮いたお金をさらに繰上返還することで返済のスピードを上げて行くことができる。

 そして2014年の秋にようやく全額返還が完了した。結局、通常なら20年かかるところを約5年で返還した。(2009年〜2014年)

おかげで利息分でかなりの金額を節約できた。今確認できる範囲では、約150か月分は繰上返還で返済した。利息分の免除で約30万円は節約できたことになる。

報奨金制度について

平成16年度以前に貸与を開始した人は「報奨金」という制度を利用できる場合がある。奨学金の残額を「一括繰上返還」した場合、その金額の5%程度を報奨金としてもらえるという制度だ。

私は残念ながら平成17年度から貸与を開始したためこの制度を利用できなかった。もし報奨金の制度を使えるのであれば、ある程度まとまった金額を一括繰上返還すれば、支払う金額をさらに節約できる。

平成16年度以前に奨学金を貸与したという人は、検討してみることをおすすめする。

報奨金の支払い時期について-JASSO
 

繰上返還で借金がなくなった

奨学金の繰上返還により、貯金の大部分はなくなってしまったが、借金がないことで精神的には非常に楽になった

奨学金の返済がなければ約500万円も自由に使えたのか…」と悲しい気分になるけれど、そこを嘆いてもしょうがない。奨学金なしで親に学費を全て出してもらった人は、本当に親に感謝すべきだと思う。

ちなみに私は社会人2年目で株や投信への投資を始めたのだが、そのお金でもっと早く奨学金の繰上返還を始めるべきだったと後悔している。

借金(ローン)の返済はノーリスク・ハイリターンであり、株などへ投資するよりも圧倒的におすすめだ。(自動車、住宅など他のローンでも前倒しで返済した方がよいのは全く同じ。)
 

 まとめ

  • 奨学金は「学費ローン」であり借金と同じ(できる限り借りない方がよい)
  • 繰上返済すれば、利息の支払いを節約できる(ノーリスク・ハイリターン)
  • 繰上返済で毎月の返済がなくなれば、精神的に余裕ができる

奨学金を返済している人は、できる限り早く繰上返還しよう。

日本学生支援機構のHPにある「スカラネット・パーソナル」から自分が借りている奨学金の残高や、繰上返還の申し込みができる。余談だが、以前はわざわざ電話で繰上返還を申し込まなければならず不便だった。 

なお、冒頭で触れた「返済できない」というケースについて、返済を延滞してしまうと延滞金が加算されてしまうだけでなく、個人信用情報機関ブラックリストに載るそうだ。そうなるとクレジットカードが作れなくなる、ローンが組めなくなるなどの影響が出るだけでなく、最悪は差し押さえや提訴につながる。

人生に悪影響を及ぼすレベルなので、絶対に延滞はしないようにやむを得ない事情で返済できない場合は、期限を猶予できる制度がある。ただし返還金が免除(払わなくてよい)される制度はない。

※人によって利子率などの詳細は異なるので、繰上返還を検討する場合は、まず日本学生支援機構のページを確認してほしい。

独立行政法人日本学生支援機構-JASSO

追記:以下の記事で、奨学金を返済するための貯蓄方法などについて書きました

rs-hmgsr.hatenablog.com