『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』を読んだ
僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦
- 作者: 出雲充
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ユーグレナという会社の創業者による自伝。ユーグレナをベンチャー企業として紹介した記事などを見たことがある人もいるだろう。
大体以下のようなストーリーだ。
- 著者は学生の頃から、世界の貧困や飢餓問題を解決したいと考えていた。
- 実際にバングラデシュでインターンをしたところ、途上国で問題になっているのは単純な食糧不足ではなく、栄養失調、栄養バランスの問題であることがわかった。
- 大学時代に調べた結果、ミドリムシ(ユーグレナ)が植物性、動物性両方の栄養素をバランスよく備えている。しかしミドリムシは培養が非常に難しく、長年研究されてきたが、大量培養には未だ成功していない。
- 大学卒業後、いったんは銀行に就職。しかしミドリムシの研究に専念するため1年で退職し、起業。
- 優秀な仲間、これまでミドリムシを研究してきた先生方など多くの人の協力により、苦労の末、ミドリムシの大量培養に成功。
- ミドリムシは食用としてだけでなく、ジェット機の燃料にも使える可能性があり、ますますビジネスチャンスが広がっていく。
この著者も東大、学生時代に様々なイベントに参加、メガバンクに就職ということで相当ハイスペックな人。当時は人気の就職先である銀行を起業するために退職し、レールから外れることの葛藤や、リーダーとしての資質不足といった悩みも描かれている。
安全圏に身を置きながら、本気で何事かに取り組むことはできない。
この部分は 本当に印象的だった。成功すると確信して起業する人はいないということ。
ユーグレナは、前回の記事で紹介した『ゼロ・トゥ・ワン』で書かれていた、「競争相手がいない分野を見つけて、そこに全力を注ぐべき」という理論に当てはまるケースだろう。ビジネスが軌道に乗るまでは相当な苦労が必要だが、そう簡単に他の企業は参加できない。
アツいストーリーなので、モチベーションを上げたいときに読むとぴったりだ。
スーパーなどで、ユーグレナの飲み物が売っているので、けっこう値段が高いけれど、今度試してみたいと思う。