最近読んだ本いろいろ
最近読んだ本の感想など。
若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)
- 作者: 城繁幸
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/09/15
- メディア: 新書
- 購入: 17人 クリック: 447回
- この商品を含むブログ (614件) を見る
けっこう前の本だけど、年功序列制度がいかに崩壊しているかがテーマ。年功序列制度が残る会社では、これからの時代、若者は給料的にも、仕事内容的にも不遇な目にあうということが書かれている。
もちろん全ての会社がこの本の悲観的なストーリーのとおりになるわけではないんだろうけど、読むと会社を辞めたくなります。
10回以上転職をしている著者のキャリア論。著者が出している他のマネー本と同じく、合理的かつドライな文章。
「その会社で身につけられるスキルを十分にマスターし、他社で給料やスキルアップが見込めるのであれば」2年くらいで辞めていいというのが主旨だ。なので、スキルが他社に持ち運びやすく、転職しやすい業種(金融のファンドマネジャーなど)でなければ当てはまらない部分もある。何より超優秀な人でなければならない。
会社独自のスキルしか身に付いていない人や凡人が安易にマネしてはいけない。
村上春樹はほとんど読んだことがないんだけど、「村上さんのところ」を最近よく見ていて面白かったので興味を持った。
これはエッセイなんだけど、著者が習慣としているランニングやトライアスロンについてだけでなく、作家としてデビューするまでの経緯とかもいろいろ語られている。
そして、本当にリズムがよくて読みやすい文章だ。
翻訳者になるための心構えや翻訳の市場について。これを読むと翻訳者の仕事や業界について基本的なことが一通りわかる。
翻訳市場そのものよりも翻訳者を目指す人のための翻訳教育産業の方が大きいことや、語学力も日本語力もないのに安易に翻訳者を目指そうとする人たちを痛烈に批判している。確かに翻訳を勉強しようと調べてみると、高額な予備校や通信教育が山ほど出てくる。
翻訳とは「外国語を正確に読み解き、書いた人間が仮に日本人であればどう書くのか」ということを意識して文章を書くことであり、「英文和訳」とは全く次元が違う。翻訳者は物書きである。物書きはアーティスティックな職業ではなく、やくざな職業であるというところも印象的だった。