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【映画メモ】『野火』を観てきた

 
渋谷のユーロスペースで『野火』を観てきました。ミニシアターに行ったのは初めてです。

www.eurospace.co.jp

nobi-movie.com


数十年前の原作も映画も、今回の塚本監督も全く知らなかったのですが、ある映画批評の記事を読んで興味を持ちました。

www.machikado-creative.jp


『野火』は第二次世界大戦時におけるフィリピン・レイテ島での日本軍を描いた戦争映画です。戦闘シーン自体はそれほど多くなく、日本兵が主に食糧不足により極限状態に追い込まれていく様子を描いています。

主人公は猛暑の中、食糧を探し求めて森をさまよい歩くこととなります。敵のアメリカ軍から、いつどこで殺されるかわからない状況。隊員たちは次々死んでいきます。主人公は極限まで追いつめられ、最後は人肉まで食べざるをえないところまで追い込まれていく…。
(※グロが苦手な人は絶対に観ないほうがよい映画です。)

こんな感じで、本当にただただ絶望感しかなく、戦争の恐ろしさが描かれています。87分間の短い映画なのですが、観ていて苦しくなる映画です。
 
 
この映画は戦争映画だからというのもありますが、観客が状況を把握するための説明、登場人物の会話などが非常に少なく、「今何が起こっているのか」、「今のシーンで何を表現していたのか」ということを観客自身でしっかり考えなくてはいけません。展開が早く中々ついていけない部分も多かったのですが…。結末も明確なものではなく、観る側にゆだねられています。
 
今回この『野火』を観て、一般の映画館でやっているメジャーな作品(予算をかけてヒットを狙っている)が、いかに観客に対してわかりやすく、やさしい内容に仕上がっているのかを改めて実感しました。誰にでも理解できて、ウケる内容をつくることは、それはそれですごいことなのですが。
 
最近よく思うのは、映画には意味のないシーンなどなく、全てのシーンに何かしら監督の意図がこめられているはずだということです。

映画に限らずですが何かをインプットする際には、想像力をはたらかせ、作り手の意図やメッセージを最大限、自分なりによく考え解釈することを習慣にしていきたいです。