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「自分は特別な人間だ」という考え方を捨てることはできない

最近読んだ全然関係ないテーマの本二冊の中で、共通してふれているポイントがあった。それは「自分は特別な人間ではない」と自覚することについてである。

臆病者のための億万長者入門

臆病者のための億万長者入門

 

この本では、人は「特別な私には幸運なことが起きるはずだ」という考えを持っているから、ほとんど当たらない宝くじを買ったり、詐欺の投資案件に多額の金を出資したり、株価の動向を読めると考え無謀な投資をしてしまう、ということが書かれている。

もう一冊はこちらの本だ。

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

 

この本は「なぜモテないかというと、それは、あなたがキモチワルいからでしょう」というところから始まり、自分が(主に精神面で)「キモチワルい」ことを自覚し、それを克服していこうというのがテーマだ。「恋愛工学」のようなテクニックとかではなく、ひたすら自分の中の「キモチワルさ」と向き合っていくという、こんなタイトルだけどかなり真面目な(?)本である。

こちらでも「自分は特別だ」と思わないようにしよう、という内容がある。まず「自分は特別な才能や能力がある人間」と心の中で思っている人はキモチワルい。そして、ふだんはそんなことを思っていない人でも、恋愛になると何となく自分が特別な状況にいると思い、相手のことを全く考えないキモチワルい行動をとってしまうことがある。だから「自分は特別じゃない」ということをしっかり認めましょう、ということだ。

 
 
「自分は特別な人間」という考えは大学生くらいのころまではたぶん誰もが持っていて、そこから大人になり社会に揉まれることで「自分は実は平凡な人間だった」ということをいつのまにか自覚するのではないか。
 
しかし、「自分は平凡な人間だ」と悟って大人になったつもりでも、実は「自分は特別」という考え方が完全に消えるわけではない。
 
だからこそ、上述したような詐欺に遭う人は減らないし、宝くじが好きな人たちがたくさんいる。金融リテラシーだけの問題じゃない。恋愛でイタいことをやらかしてしまう人もたくさんいる。
 
『臆病者のための億万長者入門』にはこんな記述がある。
私たちは誰もが「世界の中心」だ。なぜなら自分がいなくなれば世界も消滅してしまうから。この臨場感は圧倒的で、逃れることはできない。どんな「客観的」な判断にも主観は紛れ込んでくる。
 
「自分は特別」という考え方を完全に排除することはできない。であれば、「自分は特別」という考え方が致命傷にならないように気をつけて付き合っていくしかないだろう。

「自分が思いついたネタは面白い」、「自分なら会社をやめてフリーになれば成功できる」、「自分なら都会から地方に移住すればうまくいく」…とか、いろんなところに「自分は特別」という考え方は入り込んでくる。
 
調子がいいときやテンションが上がっているときこそ、少しでいいから「自分は特別ではない」ことを思い出そう。