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【キャリアの話】凡人やコミュ障こそ専門職に就け

漫画『ドラゴン桜』で「バカとブスこそ東大にいけ」という言葉があったが、私はそれに少し似た意味で、何の取り得もない凡人や、コミュ障(協調性、リーダーシップ、営業力などが苦手な人)こそ、一般的に難関とされる専門職(士業やコンサルタント)に就け、ということを書きたい。

私は新卒で入ったのは同期入社が200人くらいいる日系大企業に入り、数年勤務した後転職し、今は某コンサル会社にてかなりマイナーな分野のコンサルをしている。

コンサル業界においては、若手のうちはハードスキル(専門知識、パワポ、エクセル、英語など)が重要で、徐々にソフトスキル(コミュニケーション能力、リーダーシップ等)が重要になり、最後は営業力だという主旨のことを以前書いた。弁護士、会計士などの士業にも同じ傾向があると思うので、以降専門職としてひとくくりにさせてもらう。(士業でも、医者だけは次元が違うかもしれないが。)

rs-hmgsr.hatenablog.com

 

一方、日系大企業においては、新卒から常にソフトスキルが重視されると思う。

ハードスキルは最低限でよく、どの部署のどんな仕事でもそつなくこなせること、社内専用スキルやお作法を身につけ、社内人脈を増やしていくことが重要だ。専門性の高い部分は、外部の士業やコンサルに委託するわけだから、これで問題ないのである。

そのため、大企業で出世していけるかどうかは、コミュ力の部分と運(部署の異動等による巡り合わせや、そもそも同世代の社員が大量にいること)の要素が強くなってしまう。

 

そういう意味では、専門職は資格や専門知識という参入障壁があり、基本的にはその中にいる人たちでの競争になる(厳密には同じ士業でもさらに専門領域があり、専門分野を同じにする者どうしの競争)。

上述した最初はハードスキルが重要だが徐々にソフトスキルが重要になっていく、というのはあくまで参入障壁の中の、狭い世界での話だ。

ハードスキルは比較的個人の努力で改善の余地があるし、ソフトスキルについても、これは偏見かもしれないが、専門職の人は一般企業に比べソフトスキルが弱い人が多く、一般企業ではごく平均的なコミュ力の人でも、勝つチャンスが大いにあると思う。

もちろんハードもソフトも備えた、とんでもないハイスぺも少しいるが、そこと勝負する必要はないだろう。本当のハイスぺだと、もっと稼ぐことを目指して独立や起業に行くことも少なくないから、そういう面でもチャンスがある。


株式投資の世界では、「ワイド・モート(wide moat)」という言葉がしばしば使われる。モートとは城のお堀のことで、要は圧倒的なブランド力、市場占有率などを持っている企業は、それらが参入障壁(お堀)になり、普通の企業より優位性があるということだ。例えば、今からコーラの会社を立ち上げても、コカ・コーラに勝つことはほぼ不可能だ。こうしたワード・モートを持つ企業に投資すべし、ということだ。

個人のキャリアにおいても同じことが言えると思う。自分が凡人やコミュ障だと思っている人こそ、高い専門性を身につけ(語学など複数の要素を組み合わせるとなおよい)、他の人が入ってこれない領域を上手くつくることに注力することをおすすめしたい。

参入障壁の中では、同世代の大多数よりも、圧倒的に高い給料や充実したキャリアを手にすることができるチャンスがある。