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ホワイト企業の条件

私は大手企業で働いて7年がたつが、今のところ職場環境や給与等には満足している。
そこで、私が考えるホワイト企業の条件について書きたい。
 
ホワイト企業の条件】
  1. 営業や顧客対応がないこと
  2. 福利厚生が充実している
  3. 有給が消化しやすい
何をもってホワイトと考えるかは人それぞれだし、就職活動中の学生が言うような「成長できる」「自分のやりたいことができる」といった要素は大事なのだが、私は「ストレスなく安心して働くことができる」ことが前提だと思う。


新社会人の方で自分の会社が「ブラックかな?」と思ったとき、あるいは就職活動中の学生も企業選びの参考にしてみてほしい。もちろん同じ企業の中でも(特に大企業ほど)部署によって環境に差があるが、極端な差は少ないと思う。

営業や顧客対応がないこと

個人的にはこれが一番大きくストレスを左右する要素だと思う。顧客対応がなければ、営業ノルマもない。あとは社内の人間関係に注力すればいい。

まずBtoCの業種について言えば、クレーム対応などは学生時代にアルバイト等をしたことがあれば想像しやすいだろう。それに加え、例えば金融の個人向け営業であれば、顧客にとってよくない商品(ぼったくりと言ってもよい)を売らなければならない場合もあるなど、営業ノルマがあると精神的に相当キツい。

また、休日がカレンダー通りでない場合も大変だ。平日休みのメリットもたくさんあるが、気づきにくいだけで家族、恋人、友人とスケジュールが合わせやすいことのメリットはなんだかんだ大きい。
 
BtoBの業種であればBtoCに比べると相当ましだろう。しかし顧客が会社であるというだけで、契約をとらなければならないことや、時に顧客の無理難題に応えなければならない、といった要素はある。当たり前だが、BtoBで買い手の立場にいる方が圧倒的に楽だ。

福利厚生が充実している

社会人になって実感するのは、給与の額面だけでなく、福利厚生が重要だということ。

例えば住宅手当や社宅などで都心に1万円〜2万円程度で住むことができれば、手当がない場合に比べると可処分所得に圧倒的な差が出る。退職金、年金、育休…なども重要だ。

それら諸々の福利厚生を考えると、年収が数千万円にもなるようなハイスペックな人は別として、「外資系企業で年収1,000万円」と「福利厚生が充実した日系企業で年収600万円」とかだと、どちらがいいかは微妙だと思う。

有給が消化しやすい

上記の条件があれば十分だと思うが、有給が消化しやすければ本当に最高。様々な用事を済ませられるとか、遊べるとかはもちろんだが、それだけではない。

給与がいいか悪いかを考えるとき、労働時間から「自分の時給」を把握しておくことは大事だ。アルバイトと異なり、サラリーマンの給与は基本的に「固定給+残業代」であるため、有給をとればとるほど時給は上がっていく。逆にサービス残業が多ければ多いほど時給は下がる。
 

おわりに

大事なことは「自分働く上でどの要素を重視するのか」を自分の中できちんと整理しておくことだ。また同時にある程度の時間がかかるが(数年かかるかもしれない)、「会社のいいところ・悪いところ」を見極めよう。

それらが納得できるレベルでマッチしているうちは、安易に会社を辞めたりせずに、そのまま会社で頑張ればいい。

【読書メモ】ふたり 唐沢寿明

 

ふたり (幻冬舎文庫)

ふたり (幻冬舎文庫)

 

唐沢寿明の20年前くらいのエッセイ。唐沢寿明が役者として成功した転機として、事務所の人のすすめで「Vネックセーターやポロシャツなど、自分が最も嫌いな格好をした」ところ、さわやかなイメージで人気が出たというエピソードがある。

本来の自分とは真逆のイメージで売れることには葛藤するものの、プロとして世間のイメージに合う「唐沢寿明」を作るよう奮闘してきたことが、このエッセイに書かれている。

仕事では本当の自分を出せない分、私生活ではありのままの自分を出す。ありのままの自分でも受け入れてくれるのが妻の山口智子であり、そんな女性に出会うことができて幸せだ、といったエピソードでエッセイは締めくくられている。


役者は物語の人物になりきることが仕事だから、成功するためには自分を殺して全く異なる人格を作ることは当然かもしれない。

一方で、私のような平凡なサラリーマンも自分を殺すことが重要だ。職場の人間関係は極めて重要だし、自分の好き勝手やっていては生きていけない。「勤務中は全く異なる自分を演じている」、という人もけっこう多いのではないかと思う。

私は社会人初期の頃は、「周りに気を使いたくない」「ありのままの自分でいい」と考えて過ごしていたが、今では周囲との信頼関係を作ることを何より大事にしている。良くも悪くもサラリーマンとして会社に染まったのかもしれない。

改めて考えてみると、上司からは「動きが早いやつ」、同僚からは「親切で頼りになる」、後輩からは「仕事ができて優しい先輩」、と思われる人間であろうとしている。それはサラリーマンとしては優秀だけど、どんどん本来とは違う自分になってきているような気がする。

そして、仕事だけでなくプライベートでも本当の自分が出せなくなっている。飾らない自分を出して、受け入れてもらえなければそれでいい。すごく難しいことだけど、そういうスタンスで人と接するようにしたい。

【読書メモ】乱読のセレンディピティ

 

乱読のセレンディピティ

乱読のセレンディピティ

 

 セレンディピティserendipity)、思いがけないことを発見する能力。とくに科学分野で失敗が思わぬ大発見につながったときに使われる。

本をたくさん読めば知識は増えるが、読めば読むほど賢くなるわけではない。むしろ「知識メタボ」のようになって頭が働かず、結果として害悪になることもある。重要なのは知識や記憶力ではなく、思考力。思考力とは、知識がない問題を考え、理解する力だ。

本書で推奨されるのは、幅広い分野の本を乱読することだ。全てを理解できなくても、思考しながら読む。思考しながら読めば内容のエッセンスは記憶に残っているから、乱読を続けていくうちに、セレンディピティにつながることがある。


セレンディピティ」という言葉を初めて知ったのだが、いい言葉だと思う。
常に思考し、行動していればセレンディピティが起こるかもしれない。努力さえしていれば偉大なことが達成できるというわけではなく、かといって運任せというわけでもない。努力も運も、両方必要なのが現実。セレンディピティは現実的でありながら、ポジティブな期待を持たせてくれる。

著者の外山滋比古氏は、『思考の整理学』で有名だ。本書でも思考に関連して「忘却」や「朝の時間」の重要性について書かれているが、『思考の整理学』ではそれらも含めて、よりよく思考するための方法について書かれているので、未読の人にはおすすめ。

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)

 

 

ジブリとかディズニーの作品をほとんど観たことがない

ジブリ、ディズニー、ハリーポッターなど、大多数の日本人が観たことがあるような作品を、私はほとんど観たことがない。これをリアルで言うと、非国民みたいな扱いを受ける。他人にどんな反応をされても気にしなければいいんだけど、リアルの人間関係だとそんなに上手く割り切れない場面もあるし、みんながそれらの作品の話題で盛り上がってる時に、話題に入れなければ寂しい。


もちろん大人になってからジブリとか何作かは観たが、それは「名作と言われているから」「みんなが観てるから」観たというだけだ。確かに評判どおり面白いけど、あまり記憶に残らない。みんなが会話で盛り上がるほどの熱量は持てない。みんなが盛り上がれるのは、子どものころにリアルタイムで観たとか、思い出補正とかも大いに含まれているだろうし。


私も子どもの頃にリアルタイムで大好きだった作品、例えばドラゴンボールとかだったら、ストーリーをそらで詳細に言えるし、超マニアックなキャラでもわかる自信がある。仮に大人になってからドラゴンボールを初めて観たとしたら、とてもじゃないがそんな風に記憶に残るとは思えない。


子どものころに自然な流れで作品に触れるのと、大人になってから、「名作だから」という理由で観るのでは、「みんなが観てる」という点では共通していても、記憶への残り方は全然違う。名作には大人しか気づくことができない良さもあるだろうが、それは子どもの頃に観た記憶との対比があるからこそ意味があるものだと思う。


いくら名作だろうが、本当は大して興味がなく、記憶に残らないのであれば観たってしょうがない。偏りがあっても、自分の興味の赴くままに観たり、聴いたり、読んだりすればいい。

今さらだけど小説版『リング』の良さについて書く

 

リング (角川ホラー文庫)

リング (角川ホラー文庫)

 

小説版の『リング』が好きで、定期的に読みたくなる。

『リング』と言えば、多くの人は映画を思い浮かべるだろう。映画の「貞子が不気味な動きでテレビから出てきて〜」っていうシーンはあまりにも有名だし、今ではそれが一人歩きして貞子自体ネタみたいな扱いになってしまっている。映画は映画でホラーに特化していて素晴らしいけど、トータルでみると小説の方が好きだ。

原作は映画のような「呪い」とかホラー要素はそこまで多くなくて、ビデオの映像を分析したりして、論理的に謎解きを進めていく展開が多い。「ビデオを観たら一週間後に死ぬ」というオカルト的な状況に対し、地道に論理で立ち向かって行く。このバランスが優れているから、物語にリアリティが感じられるし、映画のような派手さはないが、じわじわくる怖さがある。

初めて読むと怖さと謎解きの方に意識が向くけど、再読すると、「主人公二人(浅川と竜司)の友情」というテーマも良い。浅川は主人公だけど本当に平凡な人物で、「一週間後に死ぬ」という極限の状況に何度もテンパったり、諦めそうになったりするが、その度に破天荒な竜司が叱咤激励して進んでいく。

浅川が最初は「こいつなら死んでもいいや」みたいな理由で竜司にビデオを見せるのに、励まされ、命を助けられて、最後ははっきりと親友だと言える存在になる。おっさんになって「親友」と言える人がいたら素晴らしい。

あと、読んだ人しかわからないだろうけど、竜司のこの辺のセリフが好きだ。

「処女のまま死にたくないって気持ちは、そんなにバカげてるのかよ。オレだったら、もし、オレだったら、やはりそう思うぜ。童貞のまま死ぬのはいやだってな。」
「なあ、よく考えてみろ。オレたちの将来にはなあ、確実なものなんて何もねえんだ。常に、あやふやな未来が待ち構えている。それでも、おまえは生きていくだろ。」

『リング』は最高のホラー小説だと思うので、未読の人はぜひ読んでみてほしい。ちなみに『リング』シリーズとして『らせん』や『ループ』などの続編がある。ただし世界観や設定が大きく変わったりして微妙なので、個人的には『リング』だけの方がきれいにまとまっててオススメ。