【読書メモ】ジム・クレイマーの株式投資大作戦
- 作者: ジムクレイマー,James J. Cramer,井手正介,吉川絵美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
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本書で繰り返し主張されるのは、「バイ・アンド・ホールド」ではなく「バイ・アンド・ホームワーク」です。
個別銘柄のオーソドックスな分析(株価収益率や期待成長率)を基本とし、セクターごとのトレンド、投機的な銘柄の調査、暴落(集中的な買いを入れるタイミング)か否かの判断…など地道な分析(ホームワーク)をしっかり行えば、インデックスを上回るパフォーマンスを実現できる、というのが本書のテーマです。
なお、ジム・クレイマーはバイ・アンド・ホールドを完全に否定しているわけではなく、老後資金であれば買い持ちでいいし、前述のホームワークをする時間のない人は、個別銘柄ではなくインデックスファンドを買ったほうがよいと言っています。
個人的に特に参考になったポイントをまとめます。
・分散投資する銘柄は、身近にありよく知っている企業(今後の業績等を高い確率で予想できること)、石油株、優良大企業の株(配当2.5%以上)、金融関連株、小型株等の投機銘柄(資金の20%まで)。
・セクターローテーションを見極め、割安な株を買う。例えば景気上昇時には安定成長銘柄を、景気後退時には循環型銘柄を買う。
・企業のファンダメンタルズは短期(12か月から18か月)では株価変動にわずかしか影響しない。マーケットでは理由なく上昇したり、下落したりすることはいくらでもある。重要なのは適切なタイミングでトレンドに乗ること。
・長期投資目的なら、値下がりすれば買い増す。トレーディング目的なら、あるシナリオを前提に大量に買い、その前提が起こらなければすぐに損切りする。当初の目的と異なることをやってはいけない(長期投資で買ったのにすぐに売却したり、トレーディングで買ったのに損切りが嫌で塩漬けしたりしない)。
・取引の手数料が下がっているため、短期売買しても問題ない。税金を気にせず、大儲けできたら利益を実現する。欲張り過ぎるとせっかくの利益が消えてしまう。
・大きなボトム(暴落)に備えて発動できるキャッシュを持っておく。投資にあてられる金額の最低10%、最大25%のキャッシュを準備する。
まだまだ参考になる部分はあるのですが、この辺で。本書に書いてあることをしっかり実践できれば(実践するのは相当難しいと思いますが…)、インデックスを上回ることができるでしょう。本書は全て米国株の話ですし、やや古い話題も含まれますが、株式投資をする人は必読です。