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サラリーマンを頑張ることについて

ネット界隈では、いつからだろうか「サラリーマンはオワコン」、「副業で稼いだり、フリーランスが素晴らしい」という風潮があると思う。

私もサラリーマンは本当にクソだなと思うことはしょっちゅうある。例えば以下のようなことだろうか。

・給料は会社の給与体系によって決まっているので、転職しない限り大して上がらない。仕事を頑張って、サビ残など受け入れても、せいぜいボーナスの査定が少し上がったり、昇格が少し早くなる程度。
・上司、お客さんの言うことは不合理であっても、基本的には受け入れなければならない。
・実力があるのが前提として、出世できるかは大部分が運で決まる。大企業なら同世代数百人と競争になるし、上司・部下との巡り合わせも重要。専門職でも、専門とする業界のトレンドや法規制の動向次第で、売上(≒ボーナスや出世のスピード)に大きく影響する。

こういうよくない面があるのは確かなんだけれど、だからと言って「サラリーマンはオワコン」、「仕事は定時で帰って副業するのが最高」、「フリーランスで自由に働くのが最高」というのも少し考えが浅いかなと最近思うようになった。その理由を以下に書いてみる。

仕事ができるようになれば、自由度は増していく

仕事をきっちりやり続けることにより、上司など周りからの信頼を得れば、組織内での自分の発言権が増す。上司に「こいつがいなくなると自分(上司)が困るな」、とまで思わせることができればよい。そういう居場所を確立してからの方が、定時で帰ったり、有給をとるといったことはやりやすくなる。

あと発言権が増してくると、少しは仕事に面白みも出てくるかもしれない。まあこれについては、自己満足と言ってしまえばそれまでだけれど。

転職しやすくなる

ある程度サラリーマンをやっている人ならわかるが、「仕事ができるやつ」「(いろんな意味で)使いやすいやつ」という評価になった人には、さらに仕事が振られる。その人に限界が来るまで。だから「仕事を早く終わらせても無意味」、「他の人より多くやってるのに給料は同じ」、という不満につながりやすい。

しかしながら、実績や経験を積めば積むほど、転職したいと思った場合にアピールするネタが増える。私も転職を経験しているが、転職活動での面接は「自分が今までやってきた仕事」や「それを踏まえ転職先でどういう仕事ができそうか」という話で大部分が決まる。新卒の就職活動のように変なリア充アピールみたいなものはあまり必要ない。

それであれば、話すネタが多いと、圧倒的に面接が楽になるし、転職先の可能性も広がるだろう。もちろん、全くネタにならないような付加価値の低い仕事も会社にはたくさんあるので、そういうのはなるべく避けるようにしたい。

「 人的資本」で考える

橘玲さんの本を読んだことがある人はわかると思うが、自分の労働力を資産の一部とみなす「人的資本」という考え方がある。

例えば、サラリーマンの年収が500万円、期待収益率が5%とすると、それは利回りが毎年5%の金融資産を1億円分持っているのと同じ、という考え方だ。投資をやっている人はわかると思うが、毎年確実に5%の配当が出て、価格変動のリスクもない、などという素晴らしい金融商品はない。給与が高くなればもっと価値は高まる。これに比べれば、普通の株や債券などを数百万円程度持っていても、話にならない。

この超優良資産を維持するためのコスト、と考えれば前述のようなサラリーマンのデメリットを受け入れる、というのもありだと思えてくる。

凡人が副業で稼ぐことは難しい

まず大多数の人は暇な時間が出来たとしてもダラダラしたり遊びに使ってしまう。ある程度副業しようという意思があっても、せいぜいブログ等による広告収入、メルカリ等を使った転売、投資(副業ではないと思うがマスコミではそのように整理されていることが多い)だったり、といったところが関の山ではないだろうか。

最近は政府が副業を後押ししているような風潮になりつつあるが、本気で世間一般の人が副業すると思っているかは怪しくて、働き方改革等で残業代が減り家計が困窮するといった声へのエクスキューズの面もあると思っている。

本当に優秀な人は副業で自分のビジネスをどんどんやればよいと思うが、そうでない凡人は、本業のスキルアップ→本業の効率化、あわよくば転職、のほうが長い目で見ればお金につながると思う。


ということで、私は今はサラリーマンの仕事をそれなりに頑張ろうかという気持ちでいる。いろいろ悩みつつこの考えに至った。自分がそうであったように、もっと若い20代の人は葛藤することも多いと思うが、ネットで見られる過激な、安易な情報に惑わされることなく、賢くキャリアを進めていってほしいと思っている。